青貝塗り(螺鈿)とは?



 螺鈿技法は正倉院御物にも遣されているように天平以来の卓越した伝統技法に一つであります。

高岡の青貝塗りは鮑などの薄貝を刀・針・鏨等を用いて三角・菱・波等の細片を作り、

これをモザイク風に組み合わせて山水・花鳥・を表現する薄貝技法は

一六八〇年ごろ(延宝年間)当時の富山藩主前田正甫公が京都より招致したそまた清輔の

そまた技法にも影響されて次第に発展したと考えられます。


 一方、厚貝技法は奈良風の螺鈿技法に加えて木村天紅の努力によって朝鮮より移住した工人から

朝鮮螺鈿技法を学び、これらの技工が融合して唐草・花鳥・文字等を表現しています。

 このように手工芸として生産される青貝塗りには、夜光・鮑・蝶貝等が使用され、貝特有の干渉色は

名状し難い美しさに輝き、華麗優美な漆器として高く評価され、伝統的工芸品として国の指定を受けています。